こころに騙されないために

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就活/心理学/読書などなど

就活はどうしてつらいのか:3つ理由を考えた

就活はつらい。

私は昨年の秋頃、どんなに早期選考やインターンに参加しても連続で落とされてしまい、精神的に滅入ってしまう時期がありました。似たような感覚は、平成生まれの就活経験者なら誰もが感じたことがあるるのではないでしょうか。

最近では、就活自殺の多さも頻繁に報道されるようになってきました。

dot.asahi.com

 今回は就活のつらさの理由について、私の就活経験から考えたことを書いてみたいと思います。

 

1.無理やり「好きだ」と言わされて、それでも振られ続ける

そもそも、働くことに関する意欲がそこまで高くありませんでした。子供の頃から「大人になると仕事が大変だ」とか「そんなんじゃ社会ではやっていけないぞ」とか言われて育ったので、仕事に就くことに対して積極的なイメージを持つことができませんでした。テレビなどのメディアでも、仕事に関しては肯定的な捉え方よりは否定的な捉え方が多いと思います。仕事はつらくて大変なもの、しかしそれでも、仕事をしなければちゃんとした大人にはなれない。そういった常識が、いつのまにか自分の中に作られていました。

そのうち、「就活の時期」というものが大学生になってやって来たので(そんなものはまやかしですが*1)特にやりたい仕事はないけれど、一番「まし」そうな企業を探して受けてみることになります。例えばホワイト企業を探してみたり、事務系の職種を探してみたり(事務系は楽だと勘違いしがち)。そして、選考のためになんとか志望理由を作り、やる気アピールをしてみます。あまり良く知らない企業でもHPをチェックして、これだけがんばったなら、認めてくれるんじゃないかと期待して。しかし、落とされてしまいました。しかも、何度も連続で。

これは恋愛で例えるなら、「自分から妥協して告白したのに、振られ続ける」という衝撃と似ていると思います。実際のところ就活は10社受けて1社内定が出ればすごいくらいの確率なので、落ちて当たり前なのですが、最初の頃はなかなか事態を飲み込めず自信とプライドをポッキリ折られてしまいました。

 

2.正解がなく、自分で考えるしかない

就活には正解がありません。人によって受ける企業が異なり、歩んで来た人生が異なるため、アドバイスも抽象的なものになってしまいます。自分で情報をかき集めて、自分の頭で答えを見つけ出す必要があります。大学までは、自分で考えなくてもある程度の道のりは開けていきました。日本の大学は専門性による差別化が機能しておらず、偏差値によって自動的に進路が決まる側面があるからです。しかし、就活では自分はなにがしたいのか、社会にはどんな企業や職種があるのか、自分で考えて意思決定しなければならなくなります*2

自分で考えることの必要性に気づけないまま、ナビサイトの人気企業ランキングに踊らされたり、マニュアル本のコピペのようなESを書いていると痛い目を見てしまいます。しかも、落とされても、落ちた理由は教えてくれるわけではないので、最終的には自分で気づくしかないのです。正解が見えない暗闇のなかを手探りで進むしかない。これも就活のつらさの理由の1つだと思います。

 

3.学歴格差なんかより断然きつい人生格差と人間力格差

就活ではよく学歴フィルターが批判されることが多いですが、私としては学歴の差よりも「人生格差」と「人間力格差」の方がきついと考えています。普段の生活で比べる対象になるのは、同じ大学の友人だからです。同じ大学の同期は大手企業に受かっているのに、自分は中小にも受からない、という状況だと、学歴を言い訳にすることができないのでより追い詰められてしまいます。

実際、学力よりも面接で落とされることが多く、直接会って話した人間から否定されてしまうと自分の人間性がだめだと言われた気分になってしまいます。これも頭の良さだけが基準になる学生時代にはなかった経験なので、精神的負担が大きいです。

加えて、これまでの人生が評価されるのもつらい点です。面接やエントリーシートではこれまでの人生が問われます。これまで充実した人生を送ってきた人はたくさん書くことや話すことがありますが、そうでない人はなにもできなくなります。この場合、「これから頑張る」も通用しないことが多いのです。

これまで仲良くしていた友人と自分との差を思い知るのもこの部分です。また、ただ授業を受けて良い成績をとっているだけでは評価されず、勉強をさぼってもサークルやバイトをエンジョイしていた人のほうが就活成功するという現象が起きるのもこれが要因だと思います。

 

「死ぬくらいなら就活辞めれば」ができない理由

このようにして精神的なダメージがつもりにつもると、だんだんと視野が狭くなりネガティブな思考しかできなくなってしまいます。

「就活がすべてではない」「フリーターでも生きていける」「就活失敗してもなんとかなる」

就活自殺がニュースになると取り上げられるこれらのアドバイスは、たしかに正しいです。しかし、一度ネガティブシンキングに心がとらわれると、「正しい」だけのアドバイスではこころに届かなくなるのです。

どんなに説明され、論理的な選択肢を提示されても、受け入れられないのです。論理的に考えて死にたくなっているのではなく、感情が死にたいと訴えている状態だからです。

だから、最後まで自分を追い詰め、面接に向かうことになってしまうのだと思います。

この状態の人に必要なのは、適切な休養です。もちろん、通院も行うべきです。

たっぷり休んで、こころを空っぽにして、余裕が出てきたときに初めて、「就活がすべてではない」ということの意味を理解して安心できるようになると思います。

 

 

「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)

「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)

 

 

 

 

『嘘と欺瞞の心理学』嘘を見破る技術とメンタリズム

 

嘘と欺瞞の心理学 対人関係から犯罪捜査まで 虚偽検出に関する真実

嘘と欺瞞の心理学 対人関係から犯罪捜査まで 虚偽検出に関する真実

 

心理学で心は読めるの? 

心理学を勉強していますと言うとたまに、「え、じゃあ心が読めたりするんですか〜」と言われたりします。あれって、冗談のつもりにしてもだいぶ迷惑している人が多いと思います。だって、心理学を勉強したら心が読めるって、経済学を勉強したら億万長者になれるとか、政治学を勉強したら総理大臣になれるとか、物理学を勉強したら物理法則を操れるとかと同じレベルですからね……。テレビでメンタリストDaiGoさんなどを見ていると勘違いしてしまうのはわかりますが……。

 

嘘を見抜くこともやはり難しい

そんな訳で、心理学を勉強しても心を読むことは難しいです。それがよく分かるのが、虚偽検知(嘘を見抜くこと)を扱ったこの本『嘘と欺瞞の心理学』です。600ページ以上のボリュームで、ありとあらゆる嘘研究について詳しくまとめられています。

 

ただ、この本を読んで分かるのは、こうすると嘘を見抜けるぞ! というノウハウではありません。むしろ、とにかく嘘研究は難しい、ということがわかります。言葉に注目しても、体の動きに注目しても、生理学的な分析を用いてもとにかく難しい。それでもなんとかちょっとずつ分かってきたことはこのくらいですよ、と。そんなテンションの本です。

 

 

嘘研究が難しいのは、変数が多すぎることが原因だと思います。性格や嘘に対するイメージ、関係性、言葉使いなどなど、嘘研究でチェックすべき項目がとても多い。これまでの行われてきた数々の実験も、それらの変数を完璧に調整して統制できている訳ではないので、なかなか信頼性に疑問があります。

例えば、「人は嘘をつく時、目をそらす」という信念を持っている人は、嘘を見抜く時視線を重点的にチェックしますし、嘘をつく時は当然ばれないように目をそらさないようにします。でも、実際には目をそらすかそらさないかは、ほとんど嘘と相関がありません。もちろん嘘をつくとき目をそらす人もいますが、そらさない人も同じくらいいるのです。

加えて、状況によっても変わります。自分を守るために嘘をつく時は目をそらさない人も、相手を傷つけないようにお世辞を言う時は目をそらすということもあるかもしれません*1。このように「人によって違う要素」と「状況によって違う要素」があまりにも多すぎるので、研究も難航しているということです。

報告された知見は一貫性に欠けていて、研究間で結果に矛盾が多いことが示されている。

(中略)

つまり、ピノキオの伸びる鼻のような手がかりは存在しないことがわかる。

アルダート・ヴレイ『嘘と欺瞞の心理学』P.70~71

メンタリストDaiGoはどうやってるの?


DaiGoがババ抜きの心理戦をニコニコで最速解説! 1/4

 

じゃあメンタリストDaiGOはどうやってるの? めちゃくちゃババ抜き強いじゃん、と思うかもしれません。しかし、あれは科学的心理学研究とは別の話です。彼のパフォーマンスは「あの関係性、あの場所、あのルール」において最適化された技術なので、研究に応用したり実践で使ったりすることは難しいと思います。簡単に言えば職人芸ということです。

素人が現実の場面でメンタリストのパフォーマンスのように華麗に嘘を見抜くことはほとんど不可能だと思います。実際DaiGoさん自身も、ババ抜きでは強いけれども、人狼ではなかなか嘘を見抜けず苦戦するという番組が以前ありました。ババ抜きのパフォーマンスはDaiGoさんがすごいのも確かではありますが、「あの状況ありき」でもあるのです。

そもそも、現実の嘘というのはトランプのように白黒はっきりしているものばかりではありません。例えば浮気をごまかすための嘘なら、浮気の程度(好きになってしまっただけなのか、デートしたのか、あるいは……)によって嘘をつく時の反応も複雑に変化します。

それにトランプにしても、番組のように大きなサイズのカードを、立ててプレイすることはほとんどないでしょう。あのサイズのトランプを離れたところに立てて使うことで、視線や体の動きが観察しやすくなり、顔をカードで隠すこともできなくなります。また番組では、他の出演者や観客から一挙手一投足を見守られ逃げ出すこともできない状況のなかで、これまで何度も勝ってきたメンタリストを前に戦うことになります。これだけのプレッシャーを現実で演出することは難しいでしょう。それに、メンタリストは相手の性格や体の動きと表情の癖を徹底的に研究しています。あの空間はメンタリストが勝つために設計された空間なのです。相手はあの席に座った時点で負けているとも言えます。

さらに言えば、メンタリストDaiGoさんは嘘を見抜く技術以外に暗示も使います。相手に選ばせたボールの色を見ずに当てるというパフォーマンスを見たことがある方も多いでしょう。「無意識にボールを選ばされている」というパフォーマンスです。あれと同じように、相手がババを置く場所を暗示でコントロールしています。こうなると、どこまでが嘘を見抜いた成果で、どこまでが暗示による成果かわかりません。

 

こういったその場限りの職人芸は、科学的に分解したりいろんな状況に応用したりすることは今のところは難しいということなのです。

 

 

表情分析

ただし、職人芸のなかでも、「表情分析」は心理学で以前からよく研究されているツールです。メンタリストDaiGo自身もポール・エクマンの『表情分析入門』が参考になると話していました。

表情分析入門―表情に隠された意味をさぐる

表情分析入門―表情に隠された意味をさぐる

 

 「表情分析」という言葉の響きはなにやら恐ろしく怪しい学問のようですが、いたって真面目な分野です。感情心理学の第一人者であるポール・エクマンが人間の表情の動きについて整理した、表情のカタログのようなものです。当然、嘘をつく時に特徴的な表情についても解説されています。メンタリストDaiGoもこれを参考にしていると思われます。ただし、表情分析の手法で嘘を見抜けるようになるには専門的なトレーニングを長期間受ける必要があるとされています。

もちろん『嘘と欺瞞の心理学』でも、表情分析は取り上げられています。表情分析の功績は嘘研究のなかでもある程度評価はされていますが、いろいろな状況に対応できるほど汎用性が高いとは考えられていないようです。

 

表情分析に関してはビジネス向けに簡単にまとめられた書籍がいくつか出ているので、興味があったらぜひ読んでみてください。

 

微表情を見抜く技術

微表情を見抜く技術

 

 

今度就活面接における嘘についても、この記事から発展させて書いてみようかと思います。

 

 書きました↓

 

rutei.hatenablog.com

 

*1:そもそもお世辞は嘘なのか? といった嘘の定義に関しても研究ごとにバラツキがあったりします

『はねろ! コイキング!』は「リセマラのゲーム化」を達成した?

みなさん、跳ねてますか?

 

はねろ!コイキング

はねろ!コイキング

  • The Pokemon Company
  • ゲーム
  • 無料

はてなブログ界の大腿四頭筋こと、レイカワカミです。

私はめちゃくちゃ跳ねてます。コイキングは80代目、トレーナーレベル50、ゴージャスリーグを終えてエクストラリーグ3まできました。

 

リセマラがコンテンツ

このゲームの面白さについて、発見したことがあったので、ブログに書いてみます。

これ、永遠と「リセマラ」し続けるゲームなんじゃないかと思ったんです。

リセマラといえば、ガチャ要素があるゲームで、確実に強いキャラを手に入れるために無料で引ける最初のガチャを何度も引き直す「リセットマラソン」の略のことです。

あれ、だんだんリセマラそのものを効率良くすることが楽しくなってくることってないですか。私の場合、本当はさっさと☆5のキャラを引き当ててストーリーを進めたいはずだったのに、いつのまにかリセマラを効率的にやることが目的になってしまっていて☆5のキャラを当てる頃には満足してやる気がなくなっているなんてことがありました。

この「はねろ! コイキング」はまさにその「リセマラそのものの面白さ」が味わえるゲームだと思います。リセマラの目的はレアキャラを当てることですが、このゲームの目的は、良いコイキング(早く育つコイキング)を釣り上げることです。良いコイキングを釣り上げると、次のコイキングを釣るまでの工程を効率良く進めることができます。1匹のコイキングを最大レベルまで育てたら、次のコイキングを釣り上げてまた育てます(代替わり)。これを無限に繰り返すゲームです。一応、跳ねた高さを競うリーグという要素もありますが、実質ボタンを押していくだけです。あれは「ボタンをタイミング良く押す」工程で、リセマラに例えるとチュートリアルやストーリーの導入でYesボタンを押し続ける動作と同じです。つまり、「リセマラがコンテンツ」なんです。

 

理想のリセマラを求めて

リセマラがコンテンツなんていうと面白くなさそうですが、面白いですよ、リセマラ。なにせリセマラのために設計されたリセマラなんですから。

リセマラの目的は淀みなくガチャを引き続けること。このゲームで言い換えると、「ノータイムでコイキングを代替わりさせ続けること」になります。ゲームが進むとどんどんコイキングの成長は早くなりますが、最大レベルも同時に上昇していきます。効率を良くする要素と悪くする要素が同時に上昇していくことになります。このゲームの肝はその2つの上昇カーブをできるだけ同じ角度に調整するために、アイテムの使い所を工夫したり、選択肢を選んだりすることです。理想通りに効率よく育てきれた時の快感はすごいですよ。効率厨にはたまりません。

ただ、一度大きな失敗してしまうと取り戻せないので、最初からやりなおしたくなったりもするんですけどね。

 

 

菊とポケモン―グローバル化する日本の文化力

菊とポケモン―グローバル化する日本の文化力

 

 

 

【就活】インターン・選考対策に使える! 先輩のES実例を見れるサイト3選

6月に入って、19卒のインターンの選考が徐々に始まってきました。

そこで今回は、インターンや本選考の対策に使える。合格者・内定者の実際のESを読めるサイトを3つ紹介します。

「3つ……? どれが一番いいの? 」と思われてしまうかもしれませんが、とりあえず全部登録しておいた方がいいと思います。あるサイトでは見れないESが別のサイトでは見ることができるということもあるからです。また、就活が本格化してくるとメールやサイトの通知などで情報過多になってくると思うので、今のうちから慣れておいた方がいいと思います。就活では情報源を絞ることよりも、多くの情報から使える情報を厳選する力の方が必要になります。

 

今回は、3つのサイトの違いや、使い分けについて重点的に説明していきます。

 

unistyle

1 つ目はunistyleです。

自己PR、志望動機、ES書くなら就職サイトunistyle

1173社、10691枚のエントリーシート、選考情報が読めます。私もインターンの選考体験記を投稿したことがあるのですが、かなりフォーマットがきっちりしており細かいとこまできちんと書かされました。ちなみに、ESが採用されるとamazonギフトで報酬がもらえます。unistyleで対策して選考通過したら、それをunistyleに投稿して報酬をもらうのが理想ですね。

ESや選考情報だけでなく、就活のテクニックや業界研究・企業研究に使える記事も多数あり、こっちの方も役に立ちます。採用担当者へのインタビューなども多くあるので、気になっている企業の記事は探して見るようにしておくと良いと思います。

大手企業のインターン・選考のES締め切りが一覧で載っているのも便利です。

 

ONE CAREER

ONE CAREERも同じ路線で使える便利なサイトです。

就活選考対策・イベント情報満載!外資系・日系トップ企業への就職活動サイト【ONE CAREER】

ESだけでも10692件、面接などの体験談を合わせると28386件読むことが出来ます。
こちらも就活関連の記事が充実していて、有名ブロガーなど就活界隈以外からの抜擢も多く、だいぶ攻めている印象があります。こういったタイプのサイトでは一番勢いがあるかもしれません。

また、企業の検索やインターン・説明会・選考の検索もできるので、マイナビリクナビのような使い方をすることも出来ます。

 

就活会議

【就活会議】新卒採用/インターン/面接の評判がわかる口コミサイト

就活会議も、ESが読めるサイトです。運営している株式会社リブセンスは社長が25歳の時に東証1部に上場し、最年少上場記録を更新したことで有名です。

2441社、7500枚以上のESが掲載されています。

就活会議の特徴は、ESだけでなく、福利厚生や給与など気になる内部情報の口コミも確認できるところです。就活の戦略には直接関係がありませんが、やはり働く環境や給料は確認しておきたいですよね。会社の説明会やPRは良い面だけを取り上げている場合が多いです。私が注目していたある企業も就活会議で「ここ最近ブラックすぎてやばい」との口コミがあり本当かなと思っていたところ、数ヶ月後にその会社の過労事件の報道がありました(電通ではありませんよ)。

 

 

今回は3つのESが読めるサイトを紹介しましたが、インターンや本選考にはそれ以外にも重要な要素がたくさんあります。

今後は他の要素についても注目して記事を書いていきたいと思います。

 

 

 

 

 

就活は、生まれた時から始まっていたのかもしれない

就活をしていて気づいたことがあります。それは、就活は3年の夏なんかではなく、もっと前から始まっていたということです。
 
「大学生活で力を入れたことはなんですか」という質問は、大学生活で何かに力を入れた経験がなければ答えることができません。
「今の大学を選んだ理由はなんですか」という質問は、大学受験の際に、自分なりの判断基準をもって主体的に大学を選んでいなければ、まともに答えることができません。
「挫折した経験はありますか」という質問は、人生の中でなにかに挑戦し、試行錯誤をして乗り越えてきた人でないと答えられません。
 

就職活動はアウトプット

 
一般的に言われる就職活動の時期というのは、それまでの人生で行って来た活動のアウトプットの技術を練習する時期なのです。それまでに人生でさまざまな経験を積んで来た人は、面接での話し方、ESでの文章の書き方を学ぶことで面接官に自分の価値を適切に伝えることができます。
しかし、アウトプットのためには、当然何かがインプットされていることが前提にあります。そもそも伝えるべき内容を持っていない人、インプットをしていない人は、どんなに面接やESの練習をしても、内容のないアウトプットしか出て来ません。大学生活をなんとなく過ごした人、大学を偏差値と学部の名前だけで選んだ人、何も挑戦せず挫折しなかった人は、面接で評価されるようなことは話せなくなってしまいます。
そういう意味では、就職活動のためのインプットは生まれた時から始まっていたのだと思います。
 
武井壮さんも、TOKYO FMの『シューカツの王』という番組内で、それについて指摘しています
じゃすぐ、面白いエピソードを今までの人生を回顧してみて浮かんでくるかっていったら、そんな浮かんでこないでしょ。これもうねえ、就活生にとっては酷な話かもしれませんけれども、
(中略)
平べったく過ごしたら、終わるよと。
就活にさしかかってから焦って、やべえどうしようじゃ、もう間に合わねえんだぞと。
だから就活っていうのは、就活にたどり着くまでが就活だと俺は思いますよ。
TOKYO FM シューカツの王 武井壮 第4回

 シューカツの王 Podcast vol.04 | シューカツの王 - TOKYO FM Podcasting

 

働かなくてもいい状況は人生のなかでも珍しい

考えてみれば、私が大学卒業まで就職という選択をしなかった(しなくて済んだ)のは、親の資本によって私の生活が守られていたからです。大学までいく援助を親がしてくれなければ、高校卒業時点で就職をすることもあり得たし、実際同級生の8割は高卒就職です。
さらに言えば、もし高校に通っている時に親や親戚がなんらかの要因でいなくなり、1人で生きていく他ない状況になれば、すぐに働かざるを得なくなったでしょう。
 
学生時代の「働いていない」という状況は、親の援助がある、という人生上極めて珍しい要因によって支えられていたものだったのです。長い人生の中では、自分で働くのが当たり前で、自分で働いていないというのは異常な状態です。おそらく、今後の人生でだれか他の人から無条件で資金をもらい生活するという状況はまれだと思います。
しかし、私はなかなかそれに気づけずに親に養われている状態が普通なのだと勘違いして怠惰な生活を送ってきてしまいました。

小学生からできる就活(インプット)

本来は、自分はどうやって働くか、どうやって生きていくかについて、高校・大学でもっと考えておく必要があったのだと思います。自分で稼いで生きていくことが当たり前という視点から見れば、子供時代・学生時代は、自分で稼がなくても最低限生きていくことが可能で、将来働くための準備を好きなだけすることができたボーナスステージだったからです。そういう意味では、授業や部活や趣味や習い事も全部、就活のための布石として捉えることすらできます。授業や部活で学んだこと、得た知識を使っていかに生きるか、いかにお金を稼ぐのか。そういうことを念頭において活動してこなければならなかったのかもしれません。
 
中高の投資部が3000億円を投資運用するという意識が高すぎるマンガ、『インベスターZ』でも、そういった教訓が描写されています。
キャプテンの神代が1年生の財前を勧誘する場面です。
財前:でも……ボク部活は野球部って決めているので
神代:野球? 君は将来プロ野球選手になれる才能と実力があるのか?
財前:プロだなんて…… それはないと思います
神代:一流になれないもの目指してどうすんの そんなの無駄な努力だよ
財前:一流になれなくても一生懸命頑張ることに価値があるんじゃないですか!
神代:的外れなところで頑張ることに 価値なんてない! そんなもっともらしい一般論……堂々と吐いてるんじゃないよ 俺たちを失望させるな
 
三田紀房『インベスターZ』1巻 

 

インベスターZ(1)

インベスターZ(1)

 

 

これは極端な例かもしれませんが、確かに部活選びの際も将来それがどう生きるのかという視点も大切かもしれません。
 
 
武井壮さんも、このテーマについて語っています。運動できるキャラで芸能界では通っていますが、武井壮さんの考え方はとても戦略的で、学ぶ点が多いと思います。
 

僕はね小学校のころから、さっきも言ったけど自分の能力を思った通りに発揮できる体を作ろうと思ってずっと活動していましたし、

さらに学校の成績とかもすごく気になって、学校という小さい集団のなかで、私という個体が、点数で順位のつくテストというものでどのぐらいの順位にたどりつくのかということが僕にとっては就職活動のようなものだったんですよ。

それってすごい小さいパイだけれども、僕の中ではすごく重要で、どんなハコの中に入っても同じ競争をしているなかで高いポテンシャルを発揮する人としていかに成長するかということを考えて来てた。

だから僕はね、自慢するようなことでもないけれど、中学高校とずっと学年トップだった。成績が。

(中略)

さらに、スポーツもがんばって、自分の思った通りに動く体が出来上がってたので、大学に入って、今までやってきたことじゃない陸上競技ってものをスムーズに選べたんですよ。俺はこの種目だったら日本一になれるっていう強い意思を持って始められたんで。で、それで始めたもので本当に日本一をとれたと。これは多分小学校中学校高校から、小さな集団の中で自分の思う成績を出すにはどうしたらいいかっていうことを、常に考えて、それに必要な知識だったり、経験だったり技術だったりていうものを自分に身につけさせるっていう作業を、僕は日課にしていたんですよ。

(中略)

これは「就職活動」とは全く違うけれども、僕はもしかしたらそれが、自分の生業になるかもしれない、人生を助ける武器になるかもしれないと思ってそれを毎日続けてたんで。

 

 TOKYO FM シューカツの王 武井壮 第1回

「武井壮の考えるシューカツとは?」 シューカツの王 PODCAST vol.1 | シューカツの王 - TOKYO FM Podcasting

 

武井壮さんは、小学生のころから、どうやって生きるか、どのように稼ぐかを考えていたということです。

みなさんは、どのくらいの時期にこのような考え方に気づきましたか?

私が気づいたのは、就活が始まってからでした。しかしそれに気づいてからも、なかなか具体的な行動に移すことができませんでした。最近やっと自分を奮い立たせて、ブログの更新頻度を上げているくらいです。

 

 

現在就活中という方で、気づかなかった、なにもやってこなかった、という方は今すぐ始めましょう。一緒に頑張りましょう。

語れることが全くない状態で挑む就活は、本当に苦しいものになると思います。バイトやボランティア、インターンにとりあえず1回行ってみるだけでもある程度の材料は揃えられます。

1、2年生のまだ時間に余裕がある方は、サークルなどの団体に所属してみるのがいいと思います。1人でなにかやるより継続しやすくなると思います。私はたまたま学園祭実行委員会に入っていたので、就活で話せる材料は少なからずありました。学園祭実行委員会に入ってなかったらどうなってたろうかとたまに考えて、怖くなります。

 

 

rutei.hatenablog.com

 

 

 

 

大学生の学び・入門―大学での勉強は役に立つ! (有斐閣アルマ)

大学生の学び・入門―大学での勉強は役に立つ! (有斐閣アルマ)

 

 

 

就活では運や縁に頼らない方がいい

 
ネット上には「就活は縁しだい」とか、「就活は運だ」という主張が多くあります。
しかし、私はそんなことはないと思っています。就活は実力勝負だし、実力をつけるための努力が必要です。
よくよく考えれば当たり前のはずです。採用担当の立場に立てば、合否が運とか縁とかで決まっているということは、合格者の傾向がばらけているということであり、選考が機能していないということです。生産性を重んじる企業ならば、そんな状況を許すわけがありません。必ず一定の法則性に基づいて、特定の性質をもった学生が残るように調整しているはずです。もしも、運や縁こそが重要だと採用担当が考えているなら、グループディスカッションなんかやらずにじゃんけん大会をやった方が効率がいいですよね。
もっとも、たまたま適当に受けた会社が自分の性格にぴったりあった会社だった、とかそういう運要素はあるかもしれません。しかし、それにしたって基本的なコミュニケーション能力や主体性がなければ最終面接にはたどり着けないようになっていると思います。
 
「就活は縁である。」という証言を残しているのは、縁と運だけで就活を終わらせた人々か、あるいは実力はあるのにそれに気づいていない人々だと思われます。自分の成功体験が「運」によってもたらされたものだったと感じてしまっている。だからそれについて語る言葉は「運」以外にないのです。それ以外、何も考える材料がないんです。
 
こういう人は大学受験界隈にもよくいます。「本番受けたら意外となんとかなるよ」とかいう先輩いましたよね。私はなんとかならなかったので、浪人してから自分なりに考えて努力して、ある程度は実力で合格したのだと思っています。
実力で成功した人(あるいは、そう思い込んでいる人)は、「運」以外に語る言葉を多く持っています。それは各人で色々と試行錯誤したからです。「〇〇は〜という理由で効果があるけど、××は効果がないと思った。△△もいいんだけど、効率を考えると結局〇〇になるんだよね。」こういうことを語ることができるのは、その人が運に頼らずに、自分の行動によって成功をたぐりよせる握力を持っていたからです。
ただし、「実際のところは運のおかげで成功したのに、実力で成功したと思い込んでいる人」は私も含めたくさんいると思うので、こういった成功要因の分析が間違っている可能性は十分にあります。そのため、複数の方の証言を参考に批判的に検討するべきであるとは思います。(この記事は、運で成功した人の「運だよ」発言を批判的に検討する文章です。)
 
また、就活に運要素が全くないわけではありません。面接官との相性やGDのメンバーなど偶然に左右されることもあります。しかし、実力があって内定を複数獲得するような人たちは、運要素があるなかでもできるだけ成功する確率を高めるように考えている方が多いと思います。
 
運で成功してしまった人は、ある意味不幸です。実力がないのに、あるいは本当はあるにしても、自分の努力と成功の因果関係を発見する前に成功という結果を手にしてしまったからです。こういうことが続くと、努力と成功との因果関係が希薄に思えてきてしまい、努力する習慣がなくなっていってしまいます。宝くじに当たった人が最終的に不幸になってしまうという話は有名ですよね。
 
どちらにしても、アドバイスを受ける側である就活生は、「就活は縁だ」みたいな言葉を真に受けるべきではないと思います。なぜなら、仮に運とか縁といった不思議な力で受かることがあるにしても、そのアドバイスは何の具体的な行動も判断も生まない上に、努力しない言い訳になってしまうのが関の山だからです。ようは無駄なんです。
それなら、「私は就活失敗した。それは○○が原因だったと思う」みたいな話の方が数倍役に立ちます。
 
とり急ぎ私の失敗談を書き残して置くと、3年夏のインターンシップはたくさん応募した方がよかったし、あの時点から業界研究や企業研究をちゃんとして、志望動機も言えるようになっていた方が良かったなと思っています。
 
いま選考中で、なかなか内定がでないという人は、とにかく落ちた原因を考えて修正していくことが大事なのではないかなと思っています。どれが原因か、あるいは全部なのか、わからなくてもとりあえず可能性が高い方から対策をしていけば、合格確率は上がるはずです。もちろんこのアドバイスも個人の主観なので正しいかわかりません。ただ、「就活は運だ」(落ちだ原因を考えずとにかく縁がある企業にめぐり逢うまで待つ)とは真逆の立場なので、いい線いってるのではないかと思っています。
 

内定を得た人が一人残らず全部実力という考え方も、それはそれで違和感がありますが、大半はやはり実力だと思います。

 

そんじゃーね。

 

 

 

自分で動く就職〈2018年版〉マニュアル本や就職サイトだけでいいと思っているあなたへ

自分で動く就職〈2018年版〉マニュアル本や就職サイトだけでいいと思っているあなたへ

 

 19卒の方へ。1冊目の就活本としておすすめです。2019年度版が出版されるのは来年になるので、実質2018年度版が19卒用だと思います。

【就活】6月以降の内定戦略:採用を続けている企業を見つける3つの方法

明日から6月です。大手企業は面接が次々と始まり、内定を出していくと思われます。そうなると、リクナビマイナビなどのサイトに乗っている求人情報は次第に抜け殻になっていき、使いにくくなっていくと予想されます。採用が終わっても、求人情報が放置されて残っていくので、どれが応募受付していてどれが応募受付していないかがわかりにくくなっていくからです。

今回は、これからの就活のために、ナビサイト以外の方法で求人情報を探す方法をいくつか紹介します。

 

大学の就職課・キャリアセンター

就活後半になっていくと、徐々に大手・中堅企業の採用も少なくなってきます。そんな状況でも、大手・中堅企業に内定するチャンスは残されています。それが欠員募集です。欠員が多く出た企業は、就活後半になると、大学の就職課やキャリアセンターに求人を出すことがあるのです。

 

 仮に 1 0 0人採用する企業に 5人 、欠員が出たとしよう 。序盤であればナビサイトに大金を払ってでも求人広告を出す 。
 では 、中盤以降は ?
 企業からすれば 、たかだか 5人のためにナビサイトへ求人広告は出せない 。費用対効果が悪すぎるからだ 。そのため 、中盤以降 、ナビサイトは開店休業状態が続くことになる 。毎日 、絶えず見ても出てくるのは公務員試験の案内か 、派遣社員の求人広告くらい 。前者は多くの就活生には無関係だし 、後者は条件を下げてもいいから 、とあきらめた学生が殺到 。説明会はあっと言う間に満席となってしまう 。
 話を戻すと 、欠員が出てもナビサイトに求人広告を出さない企業は 、費用がかからない方法を選択する 。それが 、大学就職課 (キャリアセンタ ー )への求人依頼だ 。過去に内定者の出た大学や関係の深い大学に 、ピンポイントで依頼をする 。費用がかからず 、しかも大学側もそうそう下手な学生は勧めてこない 。初期選考を大学に丸投げしたも同然だ 。こういう求人依頼があるのだから 、大学就職課も捨てたものではない 。
 
石渡嶺司『就活のコノヤロー〜ネット就活の限界。その先は?〜』(光文社新書

 

就活のコノヤロー?ネット就活の限界。その先は?? (光文社新書)

就活のコノヤロー?ネット就活の限界。その先は?? (光文社新書)

 

 

私の先輩でも、このルートで内定が出たと思われる方がいました。資本金3桁億円、従業員数1万人以上、東証一部上場の大手企業です。その企業だけかもしれませんが、先輩はいきなり最終面談からはじまり、そのまま内定となったそうです。
 

 エージェント、オファーサイト

キャリアセンター以外にも、新卒就活エージェントや、オファーサイトは使えると思います。これらのサービスは成功報酬型、つまり、内定者が出た時点で企業が報酬を支払います。企業としては使うだけではノーコストなので、欠員補充にぴったりなのです。

 

rutei.hatenablog.com

 

オファーサイトとしては、オファーボックスが有名です。

OfferBox(オファーボックス) | オファーが届く逆求人型就活サイト

他には、これまでの就活経験を利用してアピールできるキミスカもあります。

 キミスカ|1社の就活選考で複数社からスカウト

例えば、落選してしまったとしても最終選考をいくつか経験している学生なら、それをアピールすることができます。企業としても学生の質を一定以上に保てるるので、安心できるという仕組みです。

これらのオファー型のサイトは、企業が学生に送るオファーの数を制限している場合があるので、使う場合は早めに登録しておいた方がいいかもしれません。

 

ハローワークインターネットサービス

3つめはハローワークです。

www.hellowork.go.jp

学生が使うイメージがないかもしれませんが、ちゃんと学生向けの求人もあります。学生向けの求人検索は6月1日から可能になるので、ハローワーク経由での採用は明日から始まります。

正直、デザインが悪くめちゃくちゃ使いにくいのですが、他の求人サイトにはない利点があります。

それは、職種別に求人を探せることです。新卒の多くは総合職採用なので、特定の職種を希望していても、入社後に本当にその職種として働けるかどうかはわかりません。しかしハローワークなら職種別に求人を探せるので、その点は便利です。特に、一般職事務として就職したいという人にはハローワーク以上のサービスはなかなかないと思います。

 

 

 

 

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