こころに騙されないために

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自称心理学徒のブログ

就活はどうしてつらいのか:3つ理由を考えた

就活はつらい。

私は昨年の秋頃、どんなに早期選考やインターンに参加しても連続で落とされてしまい、精神的に滅入ってしまう時期がありました。似たような感覚は、平成生まれの就活経験者なら誰もが感じたことがあるるのではないでしょうか。

最近では、就活自殺の多さも頻繁に報道されるようになってきました。

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 今回は就活のつらさの理由について、私の就活経験から考えたことを書いてみたいと思います。

 

1.無理やり「好きだ」と言わされて、それでも振られ続ける

そもそも、働くことに関する意欲がそこまで高くありませんでした。子供の頃から「大人になると仕事が大変だ」とか「そんなんじゃ社会ではやっていけないぞ」とか言われて育ったので、仕事に就くことに対して積極的なイメージを持つことができませんでした。テレビなどのメディアでも、仕事に関しては肯定的な捉え方よりは否定的な捉え方が多いと思います。仕事はつらくて大変なもの、しかしそれでも、仕事をしなければちゃんとした大人にはなれない。そういった常識が、いつのまにか自分の中に作られていました。

そのうち、「就活の時期」というものが大学生になってやって来たので(そんなものはまやかしですが*1)特にやりたい仕事はないけれど、一番「まし」そうな企業を探して受けてみることになります。例えばホワイト企業を探してみたり、事務系の職種を探してみたり(事務系は楽だと勘違いしがち)。そして、選考のためになんとか志望理由を作り、やる気アピールをしてみます。あまり良く知らない企業でもHPをチェックして、これだけがんばったなら、認めてくれるんじゃないかと期待して。しかし、落とされてしまいました。しかも、何度も連続で。

これは恋愛で例えるなら、「自分から妥協して告白したのに、振られ続ける」という衝撃と似ていると思います。実際のところ就活は10社受けて1社内定が出ればすごいくらいの確率なので、落ちて当たり前なのですが、最初の頃はなかなか事態を飲み込めず自信とプライドをポッキリ折られてしまいました。

 

2.正解がなく、自分で考えるしかない

就活には正解がありません。人によって受ける企業が異なり、歩んで来た人生が異なるため、アドバイスも抽象的なものになってしまいます。自分で情報をかき集めて、自分の頭で答えを見つけ出す必要があります。大学までは、自分で考えなくてもある程度の道のりは開けていきました。日本の大学は専門性による差別化が機能しておらず、偏差値によって自動的に進路が決まる側面があるからです。しかし、就活では自分はなにがしたいのか、社会にはどんな企業や職種があるのか、自分で考えて意思決定しなければならなくなります*2

自分で考えることの必要性に気づけないまま、ナビサイトの人気企業ランキングに踊らされたり、マニュアル本のコピペのようなESを書いていると痛い目を見てしまいます。しかも、落とされても、落ちた理由は教えてくれるわけではないので、最終的には自分で気づくしかないのです。正解が見えない暗闇のなかを手探りで進むしかない。これも就活のつらさの理由の1つだと思います。

 

3.学歴格差なんかより断然きつい人生格差と人間力格差

就活ではよく学歴フィルターが批判されることが多いですが、私としては学歴の差よりも「人生格差」と「人間力格差」の方がきついと考えています。普段の生活で比べる対象になるのは、同じ大学の友人だからです。同じ大学の同期は大手企業に受かっているのに、自分は中小にも受からない、という状況だと、学歴を言い訳にすることができないのでより追い詰められてしまいます。

実際、学力よりも面接で落とされることが多く、直接会って話した人間から否定されてしまうと自分の人間性がだめだと言われた気分になってしまいます。これも頭の良さだけが基準になる学生時代にはなかった経験なので、精神的負担が大きいです。

加えて、これまでの人生が評価されるのもつらい点です。面接やエントリーシートではこれまでの人生が問われます。これまで充実した人生を送ってきた人はたくさん書くことや話すことがありますが、そうでない人はなにもできなくなります。この場合、「これから頑張る」も通用しないことが多いのです。

これまで仲良くしていた友人と自分との差を思い知るのもこの部分です。また、ただ授業を受けて良い成績をとっているだけでは評価されず、勉強をさぼってもサークルやバイトをエンジョイしていた人のほうが就活成功するという現象が起きるのもこれが要因だと思います。

 

「死ぬくらいなら就活辞めれば」ができない理由

このようにして精神的なダメージがつもりにつもると、だんだんと視野が狭くなりネガティブな思考しかできなくなってしまいます。

「就活がすべてではない」「フリーターでも生きていける」「就活失敗してもなんとかなる」

就活自殺がニュースになると取り上げられるこれらのアドバイスは、たしかに正しいです。しかし、一度ネガティブシンキングに心がとらわれると、「正しい」だけのアドバイスではこころに届かなくなるのです。

どんなに説明され、論理的な選択肢を提示されても、受け入れられないのです。論理的に考えて死にたくなっているのではなく、感情が死にたいと訴えている状態だからです。

だから、最後まで自分を追い詰め、面接に向かうことになってしまうのだと思います。

この状態の人に必要なのは、適切な休養です。もちろん、通院も行うべきです。

たっぷり休んで、こころを空っぽにして、余裕が出てきたときに初めて、「就活がすべてではない」ということの意味を理解して安心できるようになると思います。

 

 

「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)

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